こちら読みました。
内部被曝の真実 (幻冬舎新書) 児玉龍彦 幻冬舎 2011-09-08 by G-Tools |
youtube動画でネット上では一気に話題になった児玉先生の本。
前半は動画での答弁の様子の書き起こし、後半からチェルノブイリでの研究内容や内部被曝のプロセスについての説明など。
前半部分は、ネットに上がっている情報と大差ないので、普段から情報を追ってる方は物足りないかもしれませんが、いろいろ取り紛れてしまいがちな私には、まとめて読めたので助かりました。
内部被曝のプロセスについては、解明されてきたこともたくさんあり、でも解明しきれてないこともたくさん、という印象がありました。(ホンマに詳しいところについては、私がちゃんと理解しきれていないと思いますが)
ただ、解明しきれてないから信用できない、ということではなく、解明されてるところについてはちゃんと対策しようという趣旨でした。
よくわかったのは、現時点では、体制的にも法律的にも整備されているのは
「強い放射線が狭い地域だけに、短期間だけ存在する場合」 = 放射線全体としてはそれほど多くない
という状況のみで、今回のような
「低い放射線量が広い地域にわたって、長期間存在する場合」 = 放射線全体としては莫大に多い
という状況については想定がされてない、ということです。(だから「暫定」基準値なわけですね)
そりゃ全然ちがうわな、というのが実感です。
だからこそ、まずは除染が有効という意見もわかりした。
除染というと、完全に汚染元が絶つことができる感じがしますが、「線量をなるべく低くする」というイメージを抱いたほうがよいようです 。
ちょっと原発の話からそれますが、本書のなかで 一番印象に残ったのはこちらの一文。
だから、健康被害の問題について、こういう可能性があるということをまずきちんと言うのが、われわれ医学の専門家の責任です。「最初からこれを言ったらこっちがダメだろうから」と折り合いをつけてしまったら、専門家ではなく政治家です。
:
危険なことがあったら、これは本当に危険だから、苦労があっても何でもやっていこうと国民に伝えるのが専門家です。みんなが専門家に聞きたいのは、何も政治家みたいに折り合いをつけることじゃない。危険を危険だとはっきり言うのが専門家なのです。
専門家にだって家族がいて生活がある、だから折り合いをつけてしまうのは、気持ちとしてはわかります。
私だけが専門家じゃない、って思ったりもすると思います。
専門家ってところを、自分の職種に変えてみてもあまり変わらない気がします。
でもやっぱり、専門家には上記のようなことを期待したい。
で、専門家の話を聴くほうの立場である、私のようなフツーの人は、怖い話でもちゃんと聴いて考える癖をつけるしかない。で、考えて行動できる習慣をつけていくしかない。継続的に。
あぁ、しんどいなぁ。でも生きたいんならしゃあないよな~。
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